しかし自分の知る限り、当のペンシルパズル界ではあまり評判がよくありません。
筆頭に挙げられている「世界で最も難しいナンプレ」がほとんど試行錯誤の繰り返しで解く問題であり、残りのパズルもそうなのではないかと思われること(*1)や、ほとんどがConceptisのパズルから選んだもので「世界で最も難しい」という点に疑いがあることが理由として挙げられます。
自分も、そう思いました。
本当に世界で最も難しいのか?
「世界で最も難しいナンプレ」のように、面倒な試行錯誤をするだけのパズルではないのか?
しかし、パズルは解いてみないとわからない。解かずに憶測で語るのもよろしくない。
そこで、検証してみました。 検証対象は、7番の「最も難しい加算パズル」です。リストのペンシルパズル系のなかで個人的にもっとも好きなパズルであることに加え、これまでにも多数の難問が発表されていて比較が可能であること、見た目で予想がつかないことなどが理由です。
結論だけ先に述べておきます。「世界で最も難しい」とは言いがたいが、試行錯誤はさほど必要ではなく、十分に面白いパズルでした。
その証拠として、このパズルを解く上でポイントになる部分を順に解説してみます。もし興味がわきましたら、これを見ながらでも構いませんので、元の問題に挑戦してみてください。
なお、 ここでは応用的な部分に絞り、基本的な解き方については省略します。wikipediaなどをご参照ください
(1)
まずは、簡単な手筋で埋まるところを探してみます。2マス16と2マス9の交差や2マス16と6マス22の交差があります。ここから、さらにいくつかのマスが連動して確定します。
この段階で、いくつかのマスの候補数字も書いてしまいましょう。このクラスの問題では、候補の書き込みは必須です。また、個人的な習慣ですが、123のマスには○ 、789のマスには△を書いています。
途中経過を右に示します。クリックすると大きい画像で表示されます。
まだまだ序盤です。
(2)
右下でたくさん埋まったので、追いかけてみます。
右図、Aのマスに注目します。このマスの候補は、タテヨコのからみから5or6となります。しかし、仮に6とすると、残りのマスの組み合わせは1と2になり、Bのマスに入る数字がありません。
したがってAは5、Bは3になります。5が使われたことで、C,Dのマスは6,7と決まり、残りのマスは8or9とわかります。
連動する部分を埋めた状態です。
ここでさらにEとFのマスを見ると、Eは6or7、Fは8or9。
ヨコは6マス24ですので、EF以外の4マスの合計が10以上(同じ列の4マスの合計は10~30になる)になるためには、E+F<=14でないといけません。条件を満たすには、E,Fともに最小の候補を選ぶ必要があり、E=6、F=8
さらに進めるとGのタテ列でも同じように考えることができて、G=6が決定します。
この考え方を【最大最小の手筋】と呼ぶことにします。この後、いろいろな形で出てきます。
こんな感じで、右下の領域はだいたい終了。
まだそんなに難しくないですね。
以下、次回以降に続きます。
当初はまとめてやるつもりでしたが、予想以上に長くなってしまったので、分割します。
(*1) このマスにある数字を入れるとしばらく後に答えがなくなるから他の数字を入れる、という方法。根拠なくこれを繰り返す解き方しかないものは、「難しいかもしれない」が、「面倒なだけ」で、「つまらない」、非常に悪い問題であるとされる
(ここで説明する解き方もある意味同じようなものに見えるかもしれないが、定型的なパターンとして説明することで、ある程度確信を持って解き進めることができる、とされる)
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