現在の状況はこんな感じ。
(3)
右下からつないで中央へ。
5マス17の6が確定しているので、残りは1235。
埋めていくとA、Bの候補で 【最大最小の手筋】がまた発生して、A=2、B=4に確定。
7マス42との交差から、左下の4マス10まで埋めていけます
Cは4マス10で最大4、Dは5マス15で最大5、Eは2マス3で最大2
したがってC~Eの合計は最大11。ヨコの残り3マスの合計最大24。
これでやっと6マス35なので、まさにこのように、C~Eが決まります(*1)
【最大最小の手筋】の大がかりなパターンです。実は初手からいきなり埋められます。初めて見ると手品みたいですが、慣れると普通に見つかるようになります。
FとGの候補が共に「23」になりました。【ペアの手筋】成立です。
常に一方が2でもう一方が3の関係になりますから、同じヨコ列にもう2と3は入りません。よってH=4
さらにI=3となるので、JとKで12のペアが成立してG=3
一帯の1~3が一斉に決まります。
このパズルの面白いところですね
【ペアの手筋】は3つのマスでも成立(たとえば同じ列で候補123の3マスなど)して、その場合は【トリプルの手筋】と呼びます
こんなところで盤面下は一旦終了。候補が絞られてきたマスも多いので、書き込んでおくのもよいでしょうか
(4)
次は上から埋めていく番ですが、その前に手筋の紹介を兼ねて、小さく埋められる場所を紹介します。
Aのマスに注目。
このマスの候補は6789ですが、仮に7~9のどれかと仮定すると、ヨコ列で789の【トリプル】になります。すると残り3マスの和は29-24=5なので、これを満たす組み合わせはありません(3マスの和の範囲は6~24)。
よってA=6。
このように、ペアやトリプルが発生すると矛盾してしまうことから、そのマスの候補を減らすことのできる場面があります。この手筋を、 【アンチトリプルの手筋】と呼ぶことにします(*2)
タテ24に注目。
6マス24の分解を考えてみると、123459、123468、123567
の3通りしかありません。したがってこれらの共通項である123は、必ず存在します(*3)。
既に決まっている2を除き、13の行き先を探すと、ヨコ列との交差から、B=1、C=3が決定します。
このように、和の分解が完全には決定しなくても、「ある数字がこの列に必ず存在する」という情報を元に、その数字を配置できることがあります。これを【存在証明の手筋】と呼ぶことにします
2通り以上の和のパターンを調べるのは面倒に思われるかもしれませんが、実際にはこのようにすべてを書き出す必要はありません。
仮に6マスで1が存在しないとするなら、最小の和は234567=27>24。よって1が存在。
仮に6マスで3が存在しないとするなら、最小の和は124567=25>24。よって3が存在。
仮に6マスで4が存在しないとするなら、最小の和は123567=24。よって4は存在しないかもしれない。
これより上は調べても無駄。
このように不等式で評価して、順に絞り込みます。
より高度なケースでは、列内の既に決まった数字(上の盤面における6のような)を考慮に入れることでさらに絞り込める場合があります(*4)。
(*1) 前回と若干表現は違いますが、本質的な考え方は同じです
(*2) この手筋については特に決まった名前がないので、ここで名前をつけました。このパズルには、決まった名前のつけられていない手筋が多数あります
(*3) 6の存在から、123459も除外できます。が、現時点ではあまり重要ではありません
(*4) なお、そんな場所をどうやって見つけるのだという意見もあろうかと思いますが、あると思えば、意外に見つかるのです。このケースで言えば、6マス22は分解が一通りしかないので、それに近い24でも、部分的には決まりそうだな、というように。