2014年1月1日水曜日

Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(5・完)

Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(1)
Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(2)
Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(3)
Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(4)

今回で最終回です。













(9)
中央部分で【アンチペア】発生。
Aの候補は(6,7,8)ですが、7or8だとすると(A,B)=(7,8)のペアになります。タテ和により(C,D)=(1,2)。Cに入る数字がなくなってしまうので不可です。

【アンチペア】【アンチトリプル】の手筋は【ペア】【トリプル】と裏表で、同時に探すことができます。慣れてしまえば、さほど見つけにくい手筋ではありません。


右中央へ。
まずはわかりやすいところで、E=6,F=3

【存在証明】の考え方によりヨコ列の7マス41、6マス37、7マス40には9,8,7,6が含まれますが、この段階まで来れば、これらの数字の入るタテ列がかなり限られることが分かると思います。
一気に埋めてしまいましょう。














念のため途中経過を。


















(10)
いよいよ左中央部分に入ります。
ここで最後の大仕掛けが発生しますが、その前にもう少しだけ準備。

ヨコ6マス25について考えると、【存在証明】により、1,2が必ず入ります(1+34567=26)。タテ列を見ながら2の入る場所を探していくと、A=2。それにより、B=3

さらにヨコ4マス13には1が必ず入るので、C=1。
そしてEに入る数字の制限から、D=5or6

これで準備完了です。










上級手筋【和の手筋】を使います。

左中央部分を赤と青の四角で囲ってみました。
赤は、いくつかのヨコの和。
青は、いくつかのタテの和。

これらの重なり方によって、次の式が成立します

赤と青の共通部分の数字全ての和
= 赤い四角内の数字全ての和 - X
= 青い四角内の数字全ての和 - 5 - 6 - Y

計算してみましょう








  赤い四角 - X
= 6 + 27 + 31 + 21 + 42 + 16 + 21 + 13 - X
= 177 - X
青い四角 - 5 - 6 - Y
= 22 + 37 + 17 + 42 + 21 + 35 + 15 - 5 - 6 - Y
= 178 - Y

177 - X = 178 - Y
ここで X = 5 or 6、Y = 7 or 8 or 9を当てはめてみると、X=6, Y=7が確定!
このように、個別のマスの数字はわからなくても、エリア内の合計を使って、あるマスどうしの関係性をあぶりだすことができます。これが、【和の手筋】です。

もっとも、こんなにうまくいくことばかりではありません。和の手筋はきわめて限定的な手筋です。たとえば準備のところで、X=7の可能性を残していたら、進みませんし、それっぽい形をしててもまったく使えない、ということもよくあります。
ともあれ今回はきれいにはまりました。これは和の手筋の中でも、やや発展的な形です。

(11)
あとはそんなに難しいところは残っていないのですが、見落としやすい部分を少々補足。

ヨコ6マス29を【最大最小】で埋めると、まるごと広いエリアが残ります。

ちょっとわかりにくいのですが、ヨコ5マス21に注目すると、タテのからみで1がどこにも置けないため、分解が23457になります。

あとはそんなに難しくないはず。






下段の方は、(10)で入った6,7を起点に、ヨコ6マス25の分解を計算してみるのがいいでしょうか。127+843or654。654の方だと、A,Bに配置できなくなってしまいます。








といったところで、完成です。
8888888~

















(総評)
随所に中~上級手筋を散りばめた、程よい手応えのある問題でした。
左上が「わかりにくさ」に寄っている部分はちょっと気になりましたが、進むべき局面ではざっくり進むし、和の手筋などの大物手筋も仕込まれていて、じゅうぶんに面白い問題だと思います。

もし気が向いたら、こちらからダウンロードして、ぜひ自分自身の手で解いてみてください。難しいな、と思ったらこの記事を参考にしてください。きっと新しい発見があると思います。

ちなみに、「世界一難しい」については言い過ぎですね。このパズルには、さらに発展的な手筋があります。世界文化社のサムクロス基準では、☆5か6くらいでしょう(8段階)。

最後に。解説にあたって、なるべく説明が簡潔になるように解いていきましたが、一から解いていく場合には、もっと余計なメモや回り道をすることになります。候補数字もたくさん書きます。
初めて解いたときの紙を、→に載せておきます。

2013年12月30日月曜日

Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(4)

Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(1)
Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(2)
Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(3)
の続きです。

前回のラストの状況です。一気に埋まったような気がしていましたが、思ったほどは進んでないですね...












(7)
次の一手はちょっと厄介です。
細かく埋まる場所(例えば右中央5マス16と6マス36の交差)や2,3択程度に候補を絞り込める場所はいくつかあるのですが、 なかなか決め手になる場所がない。人によっては、ここでかなり時間をとられるでしょう。

見落としか、未知の手筋があるのか、それとも地道に候補を削る作業で道を開くのか
...なかなかツライ時間です。


さて。

左上エリアをもう一度見直してみます。この領域、2択と3択が密集していて、一つ決まれば連鎖的に決まりそうですね。
まさか...








Aに5を入れてみます。
そうすると周りのマスがどんどん確定していって...ヨコ4マス20の3マス分が埋まったところで...
B=9となるはずですが、タテ列に既に9が入っているので矛盾!!!

したがってA=6が確定!








こういう解き方を、一般に【単純仮定】といいます。特に決まった形はなく、なんとなくここをこの数字に仮定してみると何手か先でハタンするから、別の数字にして、というように考え方です。
この【単純仮定】はきわめて強力な解き方であり、極論してしまうと、どんなパズルであっても、この【単純仮定】を何段階にも重ねれば解けてしまいます。

いくら難問とはいえ、【単純仮定】を許容するかは議論の分かれるところです。「世界で最も難しいナンプレ」が不評なのも、【単純仮定】を連発するだけの「難問」だからです。
まあ今回のケースでは見た目にわかりやすくなっているので、個人的にはOKかな、と思います。


(8)
左上部分の確定によって、残り部分が一気に進みます。途中経過を見ながら進んでみます。

6を埋めてすぐ後の状況です。
A,Bの2マスは4,5,6のどれか2つが入りますが、ヨコ列について【最大最小】の考え方で見てみると、(A,B)=(4,6)or(5,6)。つまりAかBのどちらかに6が入ります。
タテの関係から、B=6。

Bから連鎖して一帯の数字すべてが確定します。







今の場所の右下です。
C=4が入ることによって、ヨコの5マス32の分解が一意に決定しました。
4マス28は(9,8,7,4)か(9,8,6,5)の二通りしかありませんが、前者はCによって不可能です。
8,6,5の入るマスを決めたら、今度はタテの6マス21を調べてみましょう。








右上部分が埋まり始めた状況です。
残り数字の候補が2つ程度のマスには、メモを入れています。

ここでヨコ6マス37に注目。6マス37の分解は、123456789(合計45)から3マス8(1,2,5か1,3,4)を取り除いたものになります。1,3,4を除こうとするとD=E=2となってしまうので、不可。
したがって、(3,4,6,7,8,9)の分解でD=3, E=4となります。そしてF=6も確定。

和の分解が2通り程度と少ない列では、候補数字が部分的に絞り込まれた時点で分解が決定してしまうということがあります。そうなるかもしれない、という目で見ていると、見つけることができます。



さらに少しだけ進めました。

右上エリアはこのまま完成させてしまいましょう。


















2013年11月28日木曜日

【告知】WPCをちょっとだけ楽しむ会

今年中国の北京で開催された、第22回世界パズル選手権(WPC)のパズルを皆で楽しむ会を企画しました。ぜひご参加ください。

開催日時 : 2013年12月8日(日) 13:00-17:00
場所   : 文京区男女平等センター 研修室D(最寄駅:本郷三丁目)

13:00       開場
13:15-14:45 Part.1
15:00-15:45 Part.2
15:50-16:30 パズルの解き方講習会(特別講師:條秀彰)

1.パズルは、以下の2つのコースからどちらかを選んでいただきます
Aコース(ビギナー・一般向け):2013年WPCの全問題から、比較的一般向けのパズルを選んで再構成したセットを解いていただきます。出題パズルすべての、日本語のルール集を事前に配布します。幅広い方におすすめします。
Bコース(上級者向け):2013年WPCから、Part.9 Assorted(90分)とPart.12 The Zodiac(45分)を本番とまったく同じ条件で解きます。詳しくは大会インストラクションをご参照ください。
2.参加費は、会場費と印刷費を実費でいただきます。500円程度の見込みです
3.順位等はつけませんが、希望者は採点いたします。

参加希望者はtakeya20100914@gmail.comまで、下記二点を記入の上メールを送信してください。折り返し、確認のメールを送信します。参加はなるべく前日まで受け付けますが、希望者多数の場合は先着順となりますので、お早めにお申し込みください

お名前(PN可)
ご希望のコース:AorB

2013年9月7日土曜日

Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(3)

Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(1)
Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(2)
の続きです。

前回までで、下1/3はひとまず完了しました。
今度は上から埋めていきます。













(5)

盤面上部に着手します。まずは左上部分。

埋め忘れていた3マス24を埋めました。
ヨコの3マス19に注目すると、ABが6以下、Cが8以下であることから、【最大最小】の考え方により、C=8、(A,B)=(5,6)が確定。

さらにすぐ下の4マス20に注目すると、Dが12、EFが6以下、Gが8以下。この条件で合計20を満たす方法を考えてみると、EFは456、Gは78でなくてはいけません。




さて。
2つのタテ列(45と42)で987が埋まったので、何かができそうです。

ヨコ6マス37、9マス45、6マス39は、いずれも987が入る組み合わせです。これらの列で987が入るマスを考えてみます。

まず39の列で789が入るのは、HIJの3マスのみ。さらに37の列をみると、Kはタテで987を使い切ったのでLMNに987。 

最後にヨコ9マス45。【最大最小】により、Oは4以下。よってPQRが987。





右下に視点を移して9に注目すると、もう少しだけ進めます。
ヨコ5マス32には9が必ず含まれますが、Sにしか入りません。さらにすぐ下の6マス38でT。2ヶ所ある8マス36が効いています。


この考え方で埋まるのは、ここまででしょうか













(6)
左上に戻って、候補数字を絞り込んでみます。
よく見るとABEで456の【トリプル】。したがってF=1、(C,D)=(2,3)











さて、この次がわかりにくい。
ここを見落として他の場所に行ってしまいやすいのですが、解くためには必ず通らねばならない道と思われます。

タテの7マス42で、3の入る場所を探します。
Gに入ると、G+H=5より、残り4マスで合計32となって、不可。
よってI=3。

これが決まったことで、周辺に一気に波及します。
J=4、(K,L)=(7,8)。M=9、N=9、O=9が順に確定。



さらに右上部分にも波及します。
O=9によって、タテ7マス30にはこれ以上7と8が入らなくなりました(1234569=30)。

この領域のタテ列をよく見ると、△が1つ以上あるいは2つ以上あるいは3つ入ってはいけない列が多数あります。
このことに注意しながら見ていくと、△がどんどん書き込めます。一つのヨコ列について△を書くことで、それが別のヨコ列の情報となって、△の入る場所をさらに決定します。
これで順に、(P,Q,R)=(7,8,9)、(S,T,U)=(7,8,9)、(V,W)=(8,9)。

ここで改めてヨコ6マス37を見ると、M=9が入ったことにより、X=9が確定。上に戻ってさらにいくつかの数字が確定します。


今回は、ダイナミックな789の配置と3の場所を探すのがポイントでした。前者は比較的見つけやすいですが、後者にはやや唐突感があり、難問ということなのでしょうか。
解説ということで重要な部分に絞って書いていますが、実際には、ある程度手が進まなくなってきた段階で個々のマスの候補数字を順に検討します。その過程の中で、なんとか見つかるかな、といったところです。
しかしわかりにくい分、そこを突破した後は一気に数字が埋まるようになっています。単に難しいだけのパズルではなく、十分に展開も考慮されていると感じました。

2013年8月31日土曜日

Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(2)

Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(1) の続きです。
現在の状況はこんな感じ。
















 
(3)
右下からつないで中央へ。
5マス17の6が確定しているので、残りは1235。
埋めていくとA、Bの候補で 【最大最小の手筋】がまた発生して、A=2、B=4に確定。
7マス42との交差から、左下の4マス10まで埋めていけます



さてC~Eのマスに注目。
Cは4マス10で最大4、Dは5マス15で最大5、Eは2マス3で最大2
したがってC~Eの合計は最大11。ヨコの残り3マスの合計最大24。
これでやっと6マス35なので、まさにこのように、C~Eが決まります(*1)

【最大最小の手筋】の大がかりなパターンです。実は初手からいきなり埋められます。初めて見ると手品みたいですが、慣れると普通に見つかるようになります。


FとGの候補が共に「23」になりました。【ペアの手筋】成立です。
常に一方が2でもう一方が3の関係になりますから、同じヨコ列にもう2と3は入りません。よってH=4
さらにI=3となるので、JとKで12のペアが成立してG=3
一帯の1~3が一斉に決まります。
このパズルの面白いところですね


【ペアの手筋】は3つのマスでも成立(たとえば同じ列で候補123の3マスなど)して、その場合は【トリプルの手筋】と呼びます

こんなところで盤面下は一旦終了。候補が絞られてきたマスも多いので、書き込んでおくのもよいでしょうか


(4)
次は上から埋めていく番ですが、その前に手筋の紹介を兼ねて、小さく埋められる場所を紹介します。

Aのマスに注目。
このマスの候補は6789ですが、仮に7~9のどれかと仮定すると、ヨコ列で789の【トリプル】になります。すると残り3マスの和は29-24=5なので、これを満たす組み合わせはありません(3マスの和の範囲は6~24)。
よってA=6。

このように、ペアやトリプルが発生すると矛盾してしまうことから、そのマスの候補を減らすことのできる場面があります。この手筋を、 【アンチトリプルの手筋】と呼ぶことにします(*2)





タテ24に注目。
6マス24の分解を考えてみると、123459、123468、123567
の3通りしかありません。したがってこれらの共通項である123は、必ず存在します(*3)。
既に決まっている2を除き、13の行き先を探すと、ヨコ列との交差から、B=1、C=3が決定します。

このように、和の分解が完全には決定しなくても、「ある数字がこの列に必ず存在する」という情報を元に、その数字を配置できることがあります。これを【存在証明の手筋】と呼ぶことにします

2通り以上の和のパターンを調べるのは面倒に思われるかもしれませんが、実際にはこのようにすべてを書き出す必要はありません。

仮に6マスで1が存在しないとするなら、最小の和は234567=27>24。よって1が存在。
仮に6マスで3が存在しないとするなら、最小の和は124567=25>24。よって3が存在。
仮に6マスで4が存在しないとするなら、最小の和は123567=24。よって4は存在しないかもしれない。
これより上は調べても無駄。

このように不等式で評価して、順に絞り込みます。
より高度なケースでは、列内の既に決まった数字(上の盤面における6のような)を考慮に入れることでさらに絞り込める場合があります(*4)。







(*1) 前回と若干表現は違いますが、本質的な考え方は同じです
(*2) この手筋については特に決まった名前がないので、ここで名前をつけました。このパズルには、決まった名前のつけられていない手筋が多数あります
(*3) 6の存在から、123459も除外できます。が、現時点ではあまり重要ではありません
(*4) なお、そんな場所をどうやって見つけるのだという意見もあろうかと思いますが、あると思えば、意外に見つかるのです。このケースで言えば、6マス22は分解が一通りしかないので、それに近い24でも、部分的には決まりそうだな、というように。



2013年8月29日木曜日

Conceptis「最も難しい加算パズル」を解いてみた(1)

先月公開された「世界で最も難しいパズル10選」という記事。世間ではなかなか話題になったようで、Gigazineの転載では、現時点で244ツイート、151のいいね!を集めています。ペンシルパズルの記事としては、異例の注目度といえるでしょう。
しかし自分の知る限り、当のペンシルパズル界ではあまり評判がよくありません。
筆頭に挙げられている「世界で最も難しいナンプレ」がほとんど試行錯誤の繰り返しで解く問題であり、残りのパズルもそうなのではないかと思われること(*1)や、ほとんどがConceptisのパズルから選んだもので「世界で最も難しい」という点に疑いがあることが理由として挙げられます。

自分も、そう思いました。

本当に世界で最も難しいのか?
「世界で最も難しいナンプレ」のように、面倒な試行錯誤をするだけのパズルではないのか?

しかし、パズルは解いてみないとわからない。解かずに憶測で語るのもよろしくない。
そこで、検証してみました。 検証対象は、7番の「最も難しい加算パズル」です。リストのペンシルパズル系のなかで個人的にもっとも好きなパズルであることに加え、これまでにも多数の難問が発表されていて比較が可能であること、見た目で予想がつかないことなどが理由です。

結論だけ先に述べておきます。「世界で最も難しい」とは言いがたいが、試行錯誤はさほど必要ではなく、十分に面白いパズルでした。
その証拠として、このパズルを解く上でポイントになる部分を順に解説してみます。もし興味がわきましたら、これを見ながらでも構いませんので、元の問題に挑戦してみてください。
なお、 ここでは応用的な部分に絞り、基本的な解き方については省略します。wikipediaなどをご参照ください


(1)
まずは、簡単な手筋で埋まるところを探してみます。2マス16と2マス9の交差や2マス16と6マス22の交差があります。ここから、さらにいくつかのマスが連動して確定します。
この段階で、いくつかのマスの候補数字も書いてしまいましょう。このクラスの問題では、候補の書き込みは必須です。また、個人的な習慣ですが、123のマスには○ 、789のマスには△を書いています。

途中経過を右に示します。クリックすると大きい画像で表示されます。
まだまだ序盤です。







(2)
右下でたくさん埋まったので、追いかけてみます。

右図、Aのマスに注目します。このマスの候補は、タテヨコのからみから5or6となります。しかし、仮に6とすると、残りのマスの組み合わせは1と2になり、Bのマスに入る数字がありません。
 したがってAは5、Bは3になります。5が使われたことで、C,Dのマスは6,7と決まり、残りのマスは8or9とわかります。









連動する部分を埋めた状態です。
ここでさらにEとFのマスを見ると、Eは6or7、Fは8or9。
ヨコは6マス24ですので、EF以外の4マスの合計が10以上(同じ列の4マスの合計は10~30になる)になるためには、E+F<=14でないといけません。条件を満たすには、E,Fともに最小の候補を選ぶ必要があり、E=6、F=8

さらに進めるとGのタテ列でも同じように考えることができて、G=6が決定します。

この考え方を【最大最小の手筋】と呼ぶことにします。この後、いろいろな形で出てきます。



こんな感じで、右下の領域はだいたい終了。
まだそんなに難しくないですね。



以下、次回以降に続きます。
当初はまとめてやるつもりでしたが、予想以上に長くなってしまったので、分割します。







(*1) このマスにある数字を入れるとしばらく後に答えがなくなるから他の数字を入れる、という方法。根拠なくこれを繰り返す解き方しかないものは、「難しいかもしれない」が、「面倒なだけ」で、「つまらない」、非常に悪い問題であるとされる
(ここで説明する解き方もある意味同じようなものに見えるかもしれないが、定型的なパターンとして説明することで、ある程度確信を持って解き進めることができる、とされる)


2013年1月7日月曜日

ひきたし風クロスマッス


Crossmath
Place given numbers into blue cells and operators into yellow cells so that five equations are true. Each numbers will be used exactly once. Only addition, multiplication, division are allowed. Subtraction is not allowed.
Calculations must be done strictly from left to right and from top to bottom.



2013年のパズル年賀状です。定番のクロスマッスに、昨年東大パズル同好会で考案された「ひきたし(*1)」の要素を加えてみました。難易度は☆2。

This is my nengajo. Difficulty is ☆2.
In Japan, puzzle makers write puzzle for his/her nengajo. It started more than 50 years ago. 


(*1) 1~100のランダムな9種類の数を足し算、掛け算、割り算で計算して、別の数を作るカードゲーム。引き算を禁止したことが特徴。診断メーカーを使った自動生成もある。